Python DashアプリのAWS Lambdaデプロイオプション
Python DashアプリをAWS Lambdaにデプロイする方法として、主に以下の2つのアプローチがあります：
1. Zappaを使用したデプロイ
Zappaは、PythonのウェブアプリケーションをAWS LambdaとAmazon API Gatewayを使用してサーバーレスにデプロイするためのツールです。
特徴
- FlaskやDjangoなどのWSGIアプリケーションをサポート
- API GatewayとLambdaの設定を自動化
- イベント駆動型のサーバーレスアプリケーションとして運用可能
- アイドル時のコスト削減が可能
基本的な手順
- 仮想環境の構築
- DashとZappaのインストール
- Zappaの設定ファイル（zappa_settings.json）の作成
- デプロイコマンドの実行
2. AWS SAM（Serverless Application Model）を使用したデプロイ
AWS SAMは、サーバーレスアプリケーションを構築するためのオープンソースフレームワークです。
特徴
- インフラストラクチャをコードとして定義（IaC）
- AWS CloudFormationの拡張
- ローカルでのテストとデバッグが可能
- API GatewayとLambdaの統合が容易
基本的な手順
- SAMテンプレートの作成（template.yml）
- Lambda関数のコード作成（APIGWとWSGIの連携）
- SAMコマンドでビルドとデプロイ
3. AWS CLIを使用したデプロイ
AWS CLIを直接使用して、より細かい制御でデプロイすることも可能です。
特徴
- 完全なカスタマイズが可能
- AWS サービスへの直接アクセス
- 自動化スクリプトとの統合が容易
- 詳細な設定オプション
基本的な手順
- IAMロールの作成
- デプロイパッケージの作成
- S3バケットへのアップロード
- Lambda関数の作成と設定
- API Gatewayの設定
比較
| 機能 | Zappa | AWS SAM | AWS CLI |
|---|---|---|---|
| セットアップの容易さ | 簡単（Pythonツール） | やや複雑（AWS専用ツール） | 複雑（手動設定） |
| カスタマイズ性 | 中程度 | 高い | 非常に高い |
| AWS統合 | 自動 | 明示的 | 手動 |
| デプロイ速度 | 速い | やや遅い | 遅い |
| ローカルテスト | 限定的 | 充実 | 非常に限定的 |
| 学習曲線 | 緩やか | やや急 | 急 |
選択ガイド
Zappaを選ぶ場合
- Pythonのみで完結させたい
- 迅速にデプロイしたい
- シンプルな設定で済ませたい
AWS SAMを選ぶ場合
- AWS環境との深い統合が必要
- 複雑なインフラストラクチャが必要
- 他のAWSサービスとの連携が多い
AWS CLIを選ぶ場合
- 完全なカスタマイズ制御が必要
- 既存のCI/CDパイプラインに統合したい
- 特殊な要件や制約がある
注意: 初めてサーバーレスアプリケーションをデプロイする場合は、Zappaから始めることをお勧めします。経験を積んだ後、より複雑な要件が出てきた場合にAWS SAMやAWS CLIに移行することを検討できます。